エアレンディルの冒険 覚え書き (1)

共通暦590年・春待月・15日

私たちの冒険は、ハードバイという街から始まった。
ここは偉大なる都市グレイホークの周辺都市であり、優秀なウィザード、アモッテン師がいることでも知られている。私たちはその師から依頼を受け、あるアイテムを師の元まで届けることを約束した。
ハードバイの街からおよそ1日ほどの町へ出向いた我々は、無事にアイテムを受け取り荷馬車に乗せた。ここまでの行程にはなんの問題もなかった。日差しは麗らかであったし、荒れた大地が私たちの旅を阻むこともなかった。

だがしかしハードバイへの帰り道、ゴブリンどもの襲撃を受けたのだ! 卑小にして邪悪なる妖魔たちは、闇の獣ヴォーグと共に我々に襲いかかってきた!ヴォーグとは闇に落ちたオオカミどもであり、シヴァにとって(もちろん私にとっても)許されざる敵である。

ゴブリンどもに手こずるような我々ではなかったが、ヴォーグの野生の生命力には少々手をやかされた。だが、我々はこの邪悪なる獣にも勝利し、襲撃の裏に潜む真実にたどり着いた。そう、この襲撃は何者かがゴブリンどもに指示したものであり、そのための命令書をやつらは所持していたのである。

その命令書には、彼らの基地と思われる場所の記述があったのだが、相談の結果依頼を遂行することを第一に考えるということで、その基地を迂回することに決めた。愛すべき森と違って道を読むのに難儀したが、迂回路を見つけその日はその途中で野営をした。

共通暦590年・春待月

だが、嬉しくない出会いというものは続くものだ。まぶしく朝日が差す頃、我々はオークの一団を発見した。どうやら奴らは私たちを待ち受けていたようだった。でなければ、闇を好む奴らが陽の下へノコノコと現れるわけがない。

コナーやティリダネスの矢が奴らを射抜き、フベルトゥスと私の呪文の支援が充実している今、オークどもの4匹くらい敵ではないとどこかで油断があったのかも知れない。魔法のポーションの力で透明化した一匹のオークその隙をつきが突撃して来た。シヴァはその一撃をくらって撤退を余儀なくされたし、植物に動きを封じられたオークが放ったジャベリンが(まさかなことだが)コナーに命中し彼は倒れてしまったのだ!

しかし、脅威はオークだけではなかった。邪悪なるソーサラーも姿を消して近づいてきていたのだ。彼は強力な魔法の矢を次々と撃ち放ったが、もちろん我々は邪悪に屈するような弱者ではなかった。オークどもをうち倒し、癒しの力でコナーを癒した私たちに勝ち目はないと悟った男は命乞いをしはじめた。

男はこの襲撃の真の黒幕の名を明らかにし去っていった。その男の名は、レスター。彼の魔法の師でもあるそうだ。

ハードバイの街に戻りアモッテン師に聞いたところ(ちなみにその後の襲撃はなく、無事街に帰り着くことが出来たのだが)、邪悪だが力のあるソーサラーであることがわかった。もちろん、そのような邪悪な者を放置して置くわけには行かないが、我々も戦いの後で消耗してしたし、初めての冒険の成功を祝いたいという素直な気持ちもあった。

そこで我々は、初めての冒険の成功を祝って祝杯をあげ、そして癒しきれなかった傷を回復するため(これは私の不徳というしかないことだ)ゆっくりと休むことにした。